ベビーカーの安全基準を解説|SGマーク・EN1888の意味と確認方法

ベビーカーのカタログやパッケージに「SGマーク」「EN1888適合」といった表示を見かけたことはありませんか。大切なお子さんを乗せるベビーカーだからこそ安全性は最優先。でも、これらのマークが具体的に何を保証しているのか、きちんと理解しているママ・パパは少ないかもしれません。

この記事では、ベビーカーに関わる主な安全基準の意味を解説し、「どこを見れば安全なベビーカーかわかるのか」を具体的にお伝えします。

ベビーカー選び全体の流れを知りたい方は「ベビーカーの選び方完全ガイド」もあわせてご覧ください。

ベビーカーの安全基準の全体像

ベビーカーに関わる安全基準は、大きく分けて「日本の基準」と「海外の基準」の2つがあります。

基準名 対象地域 性質 管理機関
SGマーク 日本 任意基準 一般財団法人 製品安全協会
EN1888 欧州(EU) 義務基準 欧州標準化委員会(CEN)
ASTM F833 米国 任意基準 ASTM International

日本で販売されているベビーカーのほとんどはSGマークを取得していますが、法律で義務付けられているわけではありません。一方、欧州のEN1888はEU域内で販売するすべてのベビーカーに適合が義務付けられています。

それぞれの基準を詳しく見ていきましょう。

SGマークとは?

SGマークの基本

SGマークは「Safe Goods(安全な製品)」の略で、一般財団法人 製品安全協会が1973年から運用している日本独自の安全認証制度です。ベビーカーだけでなく、ベビーベッドやチャイルドシート、抱っこ紐など幅広いベビー用品に設けられています。

SGマーク付き製品の大きな特徴は、万が一の製品欠陥による人身事故に対して、対人賠償責任保険が付帯されていることです。消費者にとって、安全性の証であると同時に万が一への備えにもなっている制度なんですね。

SGマークの試験内容

ベビーカーのSG基準では、以下のような項目がテストされます。

  • フレームの強度: 一定の荷重をかけた際に破損・変形しないか
  • ブレーキ性能: ブレーキをかけた状態で坂道に置いた場合に動かないか
  • ハーネスの強度: 一定の力で引っ張っても外れないか
  • 折りたたみの安全性: 使用中に不意に折りたたまれないか
  • 車輪の脱落耐性: 走行中に車輪が外れないか
  • 有害物質: 赤ちゃんが口にする部分に有害物質が使われていないか

SGマークのA型・B型分類

日本のベビーカーが「A型」「B型」と分類されるのは、このSG基準が根拠です。

  • A型: 生後1ヶ月〜48ヶ月、リクライニング角度150°以上
  • B型: 生後7ヶ月〜48ヶ月、リクライニング角度の規定なし

メーカーが独自に「AB型」と呼んでいるモデルがありますが、SG基準上の正式な分類ではありません。基本的にはA型の基準を満たしつつ、軽量設計にしたモデルがAB型と通称されています。

EN1888とは?

EN1888の基本

EN1888(正式にはEN 1888-1/EN 1888-2)は、EU加盟国で販売されるすべてのベビーカーに適合が義務付けられている欧州統一安全規格です。国際規格ISO/IECにも整合しており、世界で最も厳しい安全基準のひとつとされています。

2018年12月に改定されたEN1888-2では試験項目が大幅に追加・強化され、より実際の使用環境に近い条件でのテストが行われるようになりました。

EN1888の試験内容

EN1888の試験は、SGマークと比較して以下の点で厳格です。

  • 走行耐久テスト: 段差にぶつけながら連続24時間(のべ約96,000回)走行し続ける過酷な耐久試験
  • 転倒安定性テスト: さまざまな角度で傾けた際の安定性を検証
  • 荷物かご耐荷重テスト: 荷物かごに規定の重量を載せた状態での安全性
  • 化学物質テスト: 有害化学物質の含有量に関する厳しい基準(REACH規則準拠)
  • シートベルトの強度テスト: より高い荷重での引っ張り試験

特に走行耐久テストの厳しさは特筆すべきもので、日常の使用を大幅に上回る負荷をかけてもフレームが壊れないことが求められます。

EN1888適合の海外メーカー

日本でも人気のある海外メーカーの多くがEN1888に適合しています。

  • サイベックス(ドイツ): メリオ カーボン、リベルなど
  • バガブー(オランダ): バガブー フォックスなど
  • エアバギー(日本ブランドだがEN1888-2取得): ココ ブレーキなど

エアバギーは日本のブランドながらEN1888-2の認証を取得している珍しいケースで、SGマークではなくEN1888を安全基準として採用しています。

SGマーク vs EN1888 比較表

比較項目 SGマーク(日本) EN1888(欧州)
法的位置づけ 任意(義務ではない) 義務(EU域内販売に必須)
走行耐久テスト あり(基本的な強度試験) あり(96,000回の連続走行)
化学物質規制 あり あり(REACH規則準拠でより厳格)
対人賠償保険 付帯あり なし(別途製造物責任法で対応)
A型/B型分類 あり なし(月齢別の分類が異なる)
認知度(日本国内) 高い 海外メーカー利用者に浸透

どちらが「上」ということではなく、それぞれの地域に適した安全基準です。大切なのは、お使いのベビーカーがいずれかの安全基準をクリアしているかどうかを確認することですよ。

購入時の安全チェックリスト

安全基準の理解を踏まえて、ベビーカーを購入する際に確認してほしいポイントをまとめました。

チェック1:SGマークまたはEN1888の認証があるか

パッケージやメーカーの公式サイトで、SGマークまたはEN1888の表示を確認しましょう。どちらの認証もない場合は、安全テストを経ていない可能性があるため注意が必要です。

チェック2:5点式ハーネスがしっかりしているか

肩2点・腰2点・股1点の5点で体を支えるハーネスが装備されているか、バックルがしっかりロックされるか、ベルトの長さ調整がスムーズかを実際に触って確認しましょう。

チェック3:ブレーキが確実に効くか

ワンタッチブレーキの操作性と、ブレーキをかけた状態で車体が動かないかを確認します。坂道での信号待ちなど、とっさにブレーキをかける場面は日常的にあるので、操作のしやすさは重要です。

チェック4:折りたたみロックが安全か

走行中に不意に折りたたまれるのは重大な事故につながります。折りたたみロックの仕組みがしっかりしているか、ロック解除が子どもの力では操作できない設計になっているかを確認しましょう。

チェック5:リコール情報を確認

購入前に、消費者庁のリコール情報サイトや国民生活センターのウェブサイトで、対象モデルにリコールが出ていないかチェックしておくと安心です。中古やレンタルの場合は、製造年も含めて確認しましょう。

よくある質問

Q. SGマークがないベビーカーは危険ですか?

SGマークがないからといって必ずしも危険とは限りません。海外メーカーの製品はEN1888やASTM F833など、別の安全基準で認証を受けている場合があります。ただし、どの安全基準もクリアしていない製品は避けたほうが安心でしょう。特にネット通販で極端に安い無名メーカーの製品には注意してください。

Q. EN1888のほうがSGマークより安全ですか?

試験項目の数や走行耐久テストの厳しさではEN1888が上回っていますが、SGマークには対人賠償保険が付帯するというメリットがあります。「どちらが上か」ではなく、それぞれの基準が十分な安全性を確保しているので、いずれかの認証があれば安心して使えますよ。

Q. 中古やお下がりのベビーカーの安全性はどう確認すればいいですか?

まずリコール情報を確認し、次にフレームのゆがみ・車輪のガタつき・ハーネスの劣化・ブレーキの効きを目視と実際の操作で確認しましょう。製造から5年以上経過しているモデルは、プラスチック部品の劣化が進んでいる可能性があるため、使用は避けるのが無難です。

Q. 安全基準を満たしていれば事故は起きませんか?

安全基準は製品の品質を保証するものですが、使い方によっては事故が起きる可能性はあります。ハーネスを正しく装着する、ブレーキをこまめにかける、荷物かごに過度な荷重をかけないなど、日常的な安全配慮も大切です。東京都の調査では、ベビーカーに関する事故の多くが「使用中の転落」と報告されており、ハーネスの適切な使用が事故防止の鍵とされています。

トイサブレンタルの安全への取り組み

トイサブレンタルでは、SGマークまたはEN1888の認証を受けた安全基準適合のベビーカーのみを取り扱っています。レンタル品は返却のたびに専門スタッフがフレーム・車輪・ハーネス・ブレーキの状態をチェックし、安全基準を満たすコンディションでお届けしているので安心ですよ。

まとめ

ベビーカーの安全基準は、日本のSGマークと欧州のEN1888が代表的です。どちらもお子さんを守るための厳しいテストをクリアした証なので、購入時にはいずれかの認証があるかを必ず確認しましょう。加えて、ハーネスやブレーキの状態チェック、リコール情報の確認も忘れずに行ってくださいね。

ベビーカー全体の選び方については「ベビーカーの選び方完全ガイド」もあわせてご覧ください。

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